<アラビアンズ ロスト>

*途中ネタバレ分岐を設けています。
未プレイの方は、そこで引き返してくださいね。


・・・実は初めこのレビューを、無意識に、
裏モノばかり集めている別邸サイトにアップしようとしました・・・。

年齢制限ゲームでもないのに、あれ?私なにをやっているの?
きわどいシーンがあるのかというと、いや、そんな、あれ?でも。

とにかく!
何となく「やっぱり表にはおいちゃいけないのかな?」
という気にさせるゲームなんですよ!(笑)

でもカラッとしていて、いやらしくなくて、
主人公の突っ込みも、時々ふいちゃうくらい楽しい。

分かる人には分かるし、分からない人には分からないっていうか、
あ〜とにかくおもしろいです!最高です!



主人公は『普通』を求めて、両親と勝負をするのですが、
途中何度も他人から、そして自分自身から問いかけられます。

「普通って何?」

そして、その答えが自分の中で大混乱する頃、ハッピーエンドです。
まあいっか、幸せなら。
最後は必ずそう思えるはず!



「登場人物全員悪者」と謳ってある宣伝に、偽りはありません。
よくぞまあこれだけ、色んな意味での『悪』をそろえたなあという出来栄え。
お見事。

格好良く言えば、ゲーム全体に、
悪の哲学や美学がちりばめられています。

それも「弱いものいじめはしない」とかそんな道徳的なものじゃなく、
もっともっと深い。

彼らが語る『悪者である理由』には、何度も、
「なるほど」と唸って、引き寄せられてしまいそうになります。

そして主人公と同じように、
「いかん、いかん」と、無意識につぶやいてしまいます(笑)。

自らの行いを恥じるでもない、隠すでもない彼らは、
極めて魅力的です。



一部ネットで、文字が多すぎてつまらないというご指摘がありました。
文字は確かに多いかも。長いなあと思うところもあります。

私はあまり気にしませんでしたが、
比較的刺激が少ないのが、幼馴染のタイロンとスチュアートのルートなので、
まずはぐっと引き込まれたいという方は、カーティスからお勧めいたします。
それならまず大丈夫、ええ、もうのめり込めますよ(笑)。

また再販禁止規定なので、売り払うことができないという不満もありましたが、
私はすぐには売ろうという気にならないどころか、
PS2版が出たらまた買ってもいいなというくらい、十分楽しめましたよ。

PS2版は年齢制限、つくかなあ?
でも「はるか3」が12歳以上なら、12歳以上で大丈夫なのかなあ。
ストーリー的にもそうだし、若干スプラッタもあり。
審査の基準がよくわかりませんが、出来れば買いやすい形で提供をお願いします。

ともあれ、画像も操作性も改善されるであろうPS2版は、更にお勧めです。

さて、ここから先ははお気に入りキャラでネタバレ満載記載です。
未プレイの方、ブラウザの×でご退出くださいませ。








 

ここから先はネタバレですよ?大丈夫?








さて、ではお気に入りキャラのお話を。

私、属性的には絶対シャークなんですよね〜。
だって、医者で凄腕の商人ですよ!
実社会でいたら、間違いなく惚れています。

白衣かっこいい(^^)。メイズかわいいし。

自分が悪徳商人であることを隠そうとしない。
多分儲かるから医者、というのも、あながち嘘ではない。

でも医者の顔もまた真実。
己の信念には忠実。
根っからのギルカタールの男だよね。

「あんたにガラクタは似合わねえよ」
って台詞は、まともに腰に来ました。ははは。



そして、おそらく人気No.1のカーティスも、もちろんよかったです。
石田ボイスにとろけました。
ストーリー的に、一番ここが深かったなと思います。

何といってもあの顔をぺろぺろのシーンですよね。
お日さま、早く沈んでください・・・っていうプリンセスに爆笑。

出来れば名前も消して死にたいという、
カーティスの生き方が最高にかっこいい。

もとより逃がすつもりはないんですって、あの目に言われたら、
逃げられないです、はい。

こんなに一般常識が全くあてはまらない男なのに、
お父さんなカーティスを普通だと思っちゃうよ〜
ああ〜もうこの人がいいと思っちゃう〜。



そしてロベルト。

『やめなきゃと思っていても、次で勝てるかもしれない、
次で取り戻せるかもしれないっていう泥沼に入り込んでいく
あの絶望感・・・』

これぞギャンブラーがみんな落ち込む罠。
それをこの言葉で表した、ライターは秀逸!!

帽子を取ったロベルト、めっちゃかっこいい。
そしてオアシスで一緒に見るカードのCG、すごく好き。

流血はこの人のが一番こわいなあ。PS2版ではカットかなあ。

部屋に行けるっていいよね。
早くから好きだって意思表示してくれるのもすごくうれしい。

そして、個人的に一番響いたのは、
『普通ってのは、普通以外のものは排斥するってことだ』
って台詞・・・いたた。

私も決して自分が普通だとは思っていないけれど、
確かに『普通』って言葉に憧れたり、惑わされることは多い。

このゲーム、この辺、本当に深いです。



あとのキャラのも、みんなそれぞれによかったですよね。
まだ見ていないCGもあるけれど、
マイセン、ミハを含め、どれも魅力的!

楽しめました。クインロゼさん、ありがとうございました。

(END)